非上場法人の株式(自社株)をお持ちの経営者の方にとって、株式の評価額は相続税や事業承継に大きく関わります。
現在、国税庁では、その非上場株式の評価方法について抜本的な見直しが検討されています。実現すれば、1964年以来の大きな見直しとなる可能性があります。
1.現在はどのように評価する?
市場で売買されていない「非上場株式」には、上場株式のような市場価格がありません。そのため、会社の規模によりルールで評価額を計算します。主な方法は次の3つです。
● 純資産価額方式:会社の資産や負債をもとに評価
● 類似業種比準方式:同業種の上場会社の株価や利益などを参考に評価
● 配当還元方式:一定の少数株主について、受け取る配当をもとに評価
適用される評価方式は、会社の規模や株式を取得する人によって異なります。
2.なぜ見直されるの?
現行制度では、評価方法によって株式の評価額に大きな差が生じることが問題視されています。
会計検査院の令和5年度決算検査報告では、類似業種比準価額の中央値は11,622円で、純資産価額の中央値42,648円の27.2%(約4分の1)で、採用する評価額によって同会社の株価はかなりの差となります。
問題の株価の差を小さくし、会社の実態をより反映させた評価にすることが、今回の見直しの背景です。
3.新しい評価方法は「収益力」を重視
現在の検討では、会社規模による区分をなくし、幅広い会社を共通の方法で評価する案が示されています。
有力候補の一つが「残余利益方式」です。少し難しい言葉ですが、簡単にいえば、「会社の帳簿上の純資産」に、その会社の「利益を生み出す力」を加味して評価する方法です。
新しい方式では、収益力が高い会社は簿価純資産を上回り、低収益・赤字の会社では簿価純資産を下回る考え方が示されています。つまり、「改正=すべての会社の株価が上がる」というわけではありません。
4.今から確認しておきたいこと
今回の見直しは、まだ正式決定ではありません。具体的な計算式や適用開始日なども今後の検討事項です。
自社株をお持ちの経営者の方は、まず現在の自社株評価額を把握し、今後いつ・誰に株式を承継する予定なのかを整理しておくことが大切です。
贈与や事業承継を予定なさっている場合は、実行時期によって評価額が変わる可能性があります。ご不明点がございましたら、弊所までお気軽にご相談ください。































