1.配偶者の税額軽減とは
残された配偶者の生活を保障し、これまでの財産形成への貢献を考慮して設けられたのが「配偶者の税額軽減」という特例です。この特例を適用すれば、配偶者が相続や遺贈により取得した遺産額が「1億6,000万円」又は「法定相続分」のいずれか多い金額まで、配偶者に相続税はかかりません。
節税効果が非常に大きいため、「最初の相続(一次相続)では、配偶者がすべて相続して納税額をゼロにしよう」と考えるケースが少なくありません。
2.「とりあえず配偶者に」のリスク
しかし、目先の税額だけを見て遺産の分割割合を決めるのは注意が必要です。
将来、その配偶者が亡くなり、お子様が財産を引き継ぐ「二次相続」の際に、結果的にご家族全体の税負担が重くなるケースが多いからです。
その理由は、主に以下の3点です。
● 基礎控除(非課税枠)が少なくなる
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。二次相続では配偶者がすでにいないため、法定相続人が1人減ります。その結果、基礎控除額そのものが600万円少なくなってしまいます。
● 配偶者の特例が使えない
お子様が財産を引き継ぐ二次相続では、この配偶者向けの特例は利用できません。
● 財産が集中し、高い税率が適用される
配偶者が一次相続で引き継いだ財産に、配偶者自身が元々持っていた財産が合算されます。
日本の相続税は、遺産総額が大きいほど税率が高くなる累進税率です。そのため、お子様の代で税負担が跳ね上がりやすくなります。
■まとめ
目先の税金を減らすことだけにとらわれず、「二次相続」まで見据える視点が大切です。あえて一次相続で配偶者の取得割合を抑えることが、最終的にご家族の負担軽減につながることもあります。
判断に迷う場合や、ご家族全体の税額シミュレーションについては、弊所までお気軽にご相談ください。

























