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Q)今回の相続に関する民法改正案について教えて下さい。

A)相続分野においては約40年ぶりの見直しで、配偶者居住権の創設などが挙げられます。

今年3月に、遺産相続などに関する民法改正案が閣議決定されました。民法の相続分野においては約40年ぶりの見直しとなりますが、今国会で施行時期も含めた改正案が成立する見通しです。今回の改正案の主なポイントとしては、①自筆証書遺言の見直し、②配偶者の居住権を保護する制度、③夫婦間の自宅の贈与等を保護する制度、④預貯金債権の仮払制度、⑤相続人以外の者の貢献を考慮する制度などが挙げられます。
今回はそのなかから、配偶者の居住権をテーマにご紹介致します。
現行民法のもとでは、相続が発生した際に、残された配偶者が住み慣れた自宅を他の相続人などに明け渡さなければならないケースが発生しています。そのため、今回の改正案では、配偶者が引続き現在の自宅に住み続けることを認める配偶者居住権が創設される予定です。今後は、自宅の権利を所有権と居住権とに分けることで、配偶者が居住権を選択すれば所有権が他の相続人に渡った場合でも、亡くなるまで安心して住み続けることが可能となります。もちろん、現在でも、配偶者が自宅の所有権を相続すれば居住し続けることはできますが、もし遺言書がなく法定相続分での遺産分割になった場合、自宅の評価額が高額になるとその分、預貯金など他の相続財産は少なくなってしまいます。一方、今回創設される居住権の評価は、配偶者の年齢や平均寿命などをベースに行います。従って、高齢になればなるほどその評価額が減少するので、相続できる預貯金は多くなります。つまり、配偶者が自宅の所有権を相続するより、居住権を取得することで、自宅に住み続けながらその他の財産をより多く相続できるということになるのです。その反面、配偶者の年齢が若いと居住権の評価額が高くなり、所有権とあまり変わらない金額となることがこれからの課題となりそうです。
さらに、夫婦間の自宅の贈与等を保護する制度において、婚姻期間が20年以上の夫婦が自宅を生前贈与または遺贈した場合、遺産分割の対象から外れることになります。
こちらも残された配偶者が、自宅に住み続ける権利や生活費としての預貯金を確保するためのものです。

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