「相続した不動産を売却したいが、税金はどうなるのか」といったご相談をよくいただきます。
不動産を売却すると、譲渡所得税がかかる可能性があります。基本の計算式は次のとおりです。
譲渡所得 = 譲渡価格 -(取得費 + 譲渡費用)
今回はこの中で、誤解されやすく注意も必要な「取得費」について解説します。
① 取得費は「相続時」ではなく「購入時」の金額
取得費とは、もともと被相続人(例:亡くなったご両親)が不動産を購入したときの金額です。相続時の評価額(相続税評価額等)とは異なりますので、混同しないようご注意ください。
② 建物は減価償却で価値が下がる
建物の取得費は、購入時の金額そのままでは使用できません。年数の経過とともに価値が下がる「減価償却」を反映して計算する必要があります。
築年数が古い家屋の場合、取得費がかなり低くなることもあるため注意が必要です。
③ 取得費が不明な場合は「5%」で計算できる
購入時の契約書などがなく取得費が不明な場合は、売却金額の5%を概算取得費として計上することができます。ただし実際の取得費が5%を上回る場合は、課税対象額が増えるため税額が高くなる可能性があります。
一方で、購入時期が古いなどで実際の取得費が5%を下回ることもあります。その場合も5%を適用することができるため、どちらが有利かを十分に検討することが重要です。
不動産の売却をご検討の方やご不明な点がある方は、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。