令和8年度税制改正大綱(相続・贈与まわり)から、実務影響が大きい2点を解説します。
【1】貸付用不動産(評価方法の見直し:5年ルール)
今回、影響が特に大きいのがこちらです。相続直前に投資用不動産を購入し、「市場価格より低い相続税評価」を利用して相続税を大きく圧縮する取引が増えたことを背景に、公平性の観点から評価ルールが見直されました。
ポイントは【5年以内】です。被相続人等が課税時期(相続・贈与)の前5年以内に、購入または新築した「一定の貸付用不動産」は、原則として取得価額(購入した金額)で評価する考え方が示されています。加えて、一定の場合には取得価額等を基に、地価変動などを反映して計算した価額の80%で評価できる取扱いも示されています。
適用は【2027年1月1日以後】に開始する相続・贈与により取得した貸付用不動産からの予定です。これにより、今後は次の点がより重要になります。
● 取得・建築の時期(いつ買う/建てるか)
● 評価が想定より上がる前提での納税資金の確保
● 不動産以外の資産も含めた全体設計
【2】法人版事業承継税制(特例承継計画の提出期限延長)
法人版事業承継税制の特例措置について、事前に提出する「特例承継計画」の提出期限が【2027年9月30日】まで延長されます。
ただし、制度そのものの適用期限(株式の贈与・相続等の期限)【2027年12月31日】は延長されない見込みのため、検討段階でも、まず計画だけ先に提出して選択肢を残すのが安全です。
■まとめ
2点に共通するのは、「直前の一手」よりも早めの対策が重要という点です。特に貸付用不動産は影響が大きいため、ご不安な点がございましたら、ぜひ弊所までご相談ください。































