相続の知恵袋Archives
相続の現場シリーズ③

遺言書は無効?

青木さん(仮名)は、老後の面倒をみていた叔母様が亡くなった後、遺品の中から、「私が亡くなったら、姪の青木律子に遺産の全てを渡す」という内容の自筆の書き置きを見つけました。日付と署名・捺印はあるものの、便箋に鉛筆で書かれたもので、封筒に入っているわけでもありません。青木さんは、叔母様を介護している間、「遺産は、全部あなたにもらって欲しい」と何度も口頭で言われていました。書き置きの内容は、その内容と合致します。「この書き置きは遺言書?確かに叔母の意思を書いたものだけれど、こんな紙切れ1枚で通用するのかしら?」と半信半疑で、毎年、確定申告をお願いしている税理士に相談してみました。

 

「・・・これは、ちょっと、形式要件を満たしてないんじゃないでしょうか?封もされていないし、鉛筆書きですから。残念ながら、これは遺言書としては無効と思われます。相続人全員による遺産分割協議が必要ですね」とあっさり税理士に言われ、遺産分割協議についての説明を受けた青木さんは、途方に暮れてしまいました。

叔母様は配偶者を亡くしており、実子もいません。たくさんいた兄弟姉妹も既に全員亡くなっており、法定相続人は青木さんを含む甥や姪たちですが、その人数は実に20名・・・。青木さんにとっては、いとこたちということになりますが、中には面識がない人もおり、現在の連絡先がわからない人も10名ほどいます。

 

「相続に詳しい税理士にもう1度相談してみよう」と思った青木さんは、新宿総合会計事務所に相談に来られたのです。

私ども新宿総合会計事務所は、相続に詳しく経験豊富な弁護士や司法書士などの専門家と提携しています。青木さんの許可を得て、こうした専門家と協議した結果、「叔母様の書き置きは、自筆証書遺言として無効とは一概には言えないので、家庭裁判所に検認の申し立てをし、『遺言書が存在する相続案件』という基本認識のもと、進めていく」との方針を策定しました。現在、提携弁護士と連携しながら、対応しています。

 

市販の本に書かれている「教科書通り」の内容と少し違っているからといって、自筆証書遺言を一概に無効と決めつけるのは問題があると思われます。迷った場合は、相続に詳しい専門家に相談してみましょう。

 

また、本事例では、叔母様がお元気なうちに、専門家のアドバイスを受けながら遺言書を作成していたとしたら、青木さんもご苦労されることはなかったと思います。月並みですが、元気なうちの早めの遺言書作成が重要です。特に、青木さんの叔母様のように、相続人が多い場合はなおさらです。

お世話になった人にスムーズに遺産を引き継ぐ段取りをつけておくことは、遺された人への最後の御礼の気持ちのあらわれとなります。

 

新宿総合会計事務所が手掛ける遺言書作成サービス「道しるべ」は、相続専門税理士が窓口となって対応させていただきますので、税務相談をしながら遺言書を作成できます。

遺言書の作成をお考えの方は、フリーダイヤル0120-386-189まで(平日9時~19時/土曜9時~17時)。

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