相続の知恵袋Archives
相続手続きシリーズ⑲

遺言書を使った相続手続きの実務「検認編」

遺言した人が亡くなった場合、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して,「検認」を請求しなければなりません(公正証書遺言は不要)。

「検認」とは,相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに,遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名など検認日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続きではありません。

封印のある遺言書は,家庭裁判所で相続人等の立会いのうえ、開封しなければならないことになっていますので、勝手に開封した場合、5万円以下の過料に処される場合があります。
ただし、遺言書自体が無効になるわけではありませんので、万一開封してしまった場合でも「検認」は可能です。

遺言の執行をするためには,遺言書が検認されていることを証明するため、遺言書に検認済証明書が付いている必要があります。

○申立先
・遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所

○申立人
・遺言書の保管者
・遺言書を発見した相続人

○申立に必要な費用
・遺言書1通につき収入印紙800円分
・郵便切手(ケースによって枚数が違いますので、申立てする家庭裁判所へ確認してください)

○申立に必要な書類
・申立書
・遺言者の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・遺言者の子(及びその代襲者)で死亡している人がいる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

※上記は、第一順位(子・孫)の相続人がいる場合の標準的な添付書類です。相続人が第二順位(父母・祖父母等)、第三順位(兄弟姉妹または甥姪)の場合は、他の戸籍謄本が必要です。

申立てをすると,裁判所から相続人宛に検認期日の通知が来ます。申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは,各人の判断に任されており,全員がそろわなくても検認手続きは行われます。

○検認期日に持っていくもの
・遺言書
・申立人の印鑑(申立書に押した印鑑)
・そのほか家裁担当者から指示されたもの

検認期日には、申立人が遺言書を提出し,出席した相続人等の立会いのもと,封筒を開封し,遺言書を検認します。
検認が終わった後、検認済証明書の申請(遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要)をして、遺言書に検認済証明書を付けてもらいます。

なお、令和2年7月10日より施行される「遺言書保管法」による法務局で保管された自筆証書遺言については、「検認」の必要がないとされています。

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